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用語(は行~わ行)

更新日:2020年2月4日更新 印刷用ページ表示
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(出典:日本水道協会発行「水道用語辞典」より  同義語(=○○*)については企業団で追記)

排水池(はいすいち)

排水処理のシステムの一つ。固液分離の効率を良くするために急速ろ過池洗浄排水、緩速ろ過池の洗砂排水、ポンプなど機器用維持管理排水、濃縮槽、排泥池上澄水などは排水池に、沈澱池の排泥は排泥池に分担させている。このうち急速ろ過池の洗浄排水のための池を洗浄排水池と呼ぶ場合がある。急速ろ過池の洗浄排水は一般に多量の浄水を短時間に使用するため、濃度や質において排泥処理施設への負担を均一にする緩衝設備として排水池を設ける。上澄水は順次原水へ返送することにより水資源の有効化も図れる。排水池の容量は、急速ろ過池の1回の洗浄水量以上とし、ろ過継続時間と洗浄回数を考慮して、2池以上が望まれる。

配水池(はいすいち)

給水区域の需要量に応じて適切な配水を行うために、浄水を一時貯える池。配水池容量は、一定している配水池への流入量と時間変動する給水量との差を調整する容量、配水池より上流側の事故発生時にも給水を維持するための容量及び消火用水量を考慮し、一日最大給水量の12時間分を標準とする。構造は、水深3~6メートル、水密性、耐久性を有するもので、一般的には防水工を施した鉄筋コンクリート造のものが用いられる。外部からの汚染を防止するため覆蓋され、断熱のため地下または半地下式とする。設置場所は、管末での水頭損失を少なくするため給水区域の中央付近とし、適当な高所が得られれば自然流下方式で配水するのが理想的である。

配電設備(はいでんせつび)

受電設備から電気の供給を受けて各負荷設備に電気を供給するための施設。配電方式は、供給信頼度が低いが最も簡単で経済的である放射状配電、供給信頼度の高い予備線配電及びループ配電がある。水道施設においては、放射状配電と予備線配電の併用が多く採用されている。

PAC(ぱっく)=ポリ塩化アルミニウム

1960年代、日本で開発された無機高分子凝集剤で、一般式は[Al2(OH)nCl6-n]メートルで表される。ポリ塩化アルミニウムの略称。水道では、品質はJIS K 1475-1978で規格化されている。アルミニウムをあらかじめ加水分解重合させたもので、硫酸アルミニウムと比較すると、適正凝集pH範囲、適正注入率の許容幅、高・低濁時の凝集効果、アルカリ消費量、フロックの沈降速度などの面で有利である。なお、アルミニウムモノマーとして存在しているのは硫酸アルミニウムではほぼ100%であるが、PACでは約25~45%(JIS規格の塩基度45~65の範囲)であり、残りが重合(ポリマー)アルミニウムとして存在している。凝集沈澱・ろ過後の処理水には、アルミニウムの一部が残留するが、適正な注入処理を行えば、残留するアルミニウムの量はごく微量である。

pH調整(ぴ-えっちちょうせい)

凝集性など処理性の向上や処理後の適正pH範囲への修正などを目的としてpHを調整すること。pHを上げる目的でアルカリ剤を、下げる目的には酸剤(塩酸など)を用いる。通常pHは、凝集処理及び塩素処理の後、pHを5.8~8.6に調整される。特殊な目的としては、重金属のアルカリ凝析、硬水軟化のためにアルカリ剤を注入し、処理後に上昇したpHを下げるために酸剤が加えられることもある。

病原生物(びょうげんせいぶつ)=病原性微生物*

宿主に寄生することによって、その個体に何らかの異常(疾病)を起こさせる生物。病原体ともいう。顕微鏡的な大きさのものは病原微生物とも称される。病原生物の寄生(感染)によって起こる疾病を感染症という。生物の種類によって病原ウイルス、病原(細)菌、寄生虫(原虫類、蠕虫類)などに区分される。病気を発現させる因子を病原生物が保有していても、侵入した生物量、侵入門戸、寄生部位などによっては必ずしも発症するとは限らず、また逆に、一般には病原性がないと考えられている生物でも侵入部位や寄生部位並びに侵入した生物量などによっては症状をもたらすことがある。このため病原生物と非病原生物の区別は必ずしも絶対的なものではない。

ファンデルワールス力(ふぁんでるわーるすりょく)

粒子間に存在する引力のこと。原水中の濁質は通常コロイド状態で、多くの場合マイナスに帯電しており、互いに反発しあって塊にならない。凝集剤の注入により荷電を中和させると、コロイドを構成する粒子のファンデルワールス力が優勢になり、コロイド粒子が相互に吸着して、マイクロフロックと呼ばれる微小な集塊が形成される。しかし、それ以上の大きさになるためには、水流の破壊作用が大きくなるために、ファンデルワールス力だけでは吸着力として不足する。次の段階として、水酸化アルミニウムなどの高分子による架橋作用が必要となる。

賦活(ふかつ)

活性炭の原料を薬品やガスを用いて高温下で酸化し、細孔構造を発達させて吸着能力をもたせる操作を賦活という。活性炭の賦活法には炭化した原料を水蒸気、空気、二酸化炭素などのガスを用いて行うガス賦活法と、塩化亜鉛、リン酸などの薬品を加えて炭化・賦活を行う薬品賦活法がある。粒状活性炭は水蒸気賦活法で製造されるものが多い。賦活の方式、温度、時間などが活性炭の吸着能力に影響を及ぼす因子である。

負荷率(ふかりつ)

一日最大給水量に対する一日平均給水量の割合を表すもので、次式により算出する。

負荷率の計算式

この比率は水道事業の施設効率を判断する指標の一つであり、数値が大きいほど効率的であるとされている。水道事業のような季節的な需要変動がある事業については、給水需要のピーク時に合わせて施設を建設することとなるため、需要変動が大きいほど施設の効率は悪くなり、負荷率が小となる。このことから負荷率を大にすることが経営の一つの目標となる。水道施設の効率性については、施設利用率、最大稼働率と併せて判断する必要がある。

普通地方公共団体(ふつうちほうこうきょうだんたい)

地方公共団体のうち、都道府県及び市町村をいい、公法人である(自治法1条の3第2項、2条1項)。普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律またはこれに基づく政令により処理することとされるものを処理するものである(同法2条2項)。普通地方公共団体には議決機関としての議会を、また、執行機関として長のほか委員会及び委員を置くほか、執行機関を補助するために、補助機関として必要な職員を置く(同法89条、138条の4、139条、161条~175条他)。

ブラウン運動(ぶらうんうんどう)

媒質中におかれた微小粒子の熱運動。水中のコロイド粒子などでは、媒質である水分子の熱運動による衝突力が各瞬間において打ち消し合わないため、粒子が不規則に種々な方向に押し動かされる。この運動をブラウン運動という。

フロック形成池(ふろっくけいせいち)

沈澱処理の前処理としてフロック形成を行うための池。フロックを成長させるための緩速攪拌を行うために、フロキュレー夕などの機械を用いる方式と水流の損失水頭を攪拌エネルギーとして利用する迂流式などがある。設計においては、フロックを壊さないようできるだけ均一な攪拌を行うことや、沈澱池に入る前にフロックを沈積させないよう、池の形状を工夫する必要がある。

粉末活性炭(ふんまつかっせいたん)

粉末状の活性炭のこと。水道用の粉末活性炭は通常水蒸気賦活で製造され、粒径が75μメートル以下のものが多く用いられている。PACと略記されることが多い。粉末活性炭の規格はJIS K1470-1991粉末活性炭試験方法、JWWA K113-2001水道用粉末活性炭試験方法に定められている。

放線菌(ほうせんきん)

生活史上の一時期に分岐した糸状の細胞や菌糸を形成するグラム陽性の細菌をいう。放線菌のうち、主としてStreptomyces属、一部Micromonospora属の中には、水道水源湖沼、貯水池などで増殖してかび臭物質を産生するものがある。また、ある種の放線菌は、土中に埋設された配水管のジョイントのゴムパッキンを劣化させたり、放線菌を利用した抗生物質製造工場の排水が水源河川に流入して、浄水場で異臭問題が発生することもある。

補助(ほじょ)=補助金

政府が一定の行政目的を達成するため、地方自治体などに一方的に財源を交付すること。その支出を補助金という。また、地公企法は、地方公共団体が災害の復旧その他特別の理由により必要のある場合に、一般会計または他の特別会計から地方公営企業会計に財政的な補助をすることができると規定している(17条の3)。地方公営企業の経費は、経費の負担区分に基づいて一般会計などが負担するものを除いては料金収入などで賄うべきものであるが、例外措置として、合理的根拠のある場合に限って認められるものである。

ポンプ井(ぽんぷせい)

原水、浄水などをポンプで揚水するとき、揚水量の変動などによる不均衡を調整するために設置した貯水槽のこと。一般には、取水施設に用いるものを取水ポンプ井、送水施設に用いるものを送水ポンプ井などという。また、ポンプ据付け位置の直下またはその付近に、水流の乱れや空気の混入などを防止するためにポンプマス(桝)またはポンプピットを設置することが望ましく、十分な有効容量とすることが必要である。

水の日・水の週間(みずのひ・みずのしゅうかん)

水資源の有限性、水の貴重さ及び水資源開発の重要性について国民の関心を高め、理解を深めるため、毎年8月1日を「水の日」、この日から1週間を「水の週間」とすることが昭和52年(1977)閣議了解され、国土交通省の主唱により、全国で各種の広報行事が行われている。

無声放電法(むせいほうでんほう)

オゾン発生法の一つ。2枚の金属電極間にガラスあるいはセラミックなどの誘電体をはさみ、酸素含有気体(空気、酸素ガス)をこの電極間に流しながら交流高電圧を印加すると電極間に多数の放電が生じ、電子と酸素分子との衝突が起き化学反応によりオゾンが発生する。オゾン発生法には、他に電解法、光化学反応法、放射線照射法、高周波電解法などがあるが、工業規模のオゾン発生法としては無声放電法が広く実用化されており、主流になっている。

無停電電源装置(むていでんでんげんそうち)=無停電電源設備*

商用交流電源の停電や電圧などの変動が電気設備の機能や動作に重大な支障を生じないように、無停電で定電圧、定周波数の交流入力を負荷に供給する装置で、電子計算機、計装設備などの電源に用いられている。整流器、インバータ及び蓄電池で構成される。常時は商用交流入力を整流器及びインバータで交流に変換して負荷に電力を供給し、万一商用交流入力が停電した場合、蓄電池からの直流入力をインバータにより交流に逆転換して、負荷に電気を供給するものである。運転方式には、常時インバータ給電方式と常時商用給電方式がある。

無薬注脱水法(むやくちゅうだっすいほう)=無薬注*

スラッジを脱水する際に、石灰や高分子凝集剤などの薬剤を添加せず、スラッジをそのまま脱水する方法。この方式で所定のケーキ含水率が得られれば、経済性やケーキ処分上有利な脱水方法である。

2-メチルイソボルネオール(に-めちるいそぼるねおーる)

略称はMIBまたは2-MIB。放線菌または藍藻類によって産生され、異臭味物質として知られている。通常はカビ臭を呈するが土臭、墨汁臭となることもある。通常の凝集沈澱、急速ろ過施設で対応できない場合は粉末活性炭処理、粒状活性炭処理、もしくはオゾン処理等で除去する。

滅菌(めっきん)

対象とする物体に付着あるいは混入しているすべての微生物を、芽胞を含めて完全に死滅させるか、あるいは完全に取り除いてしまうこと。すなわち、微生物がまったく存在していない無菌の状態にする操作をいう。火炎滅菌、乾熱滅菌、高圧蒸気滅菌、蒸気滅菌、放射線滅菌、紫外線滅菌などの方法がある。なお気体や液体をメンブレンフィルターでろ過する方法はろ過滅菌と呼ばれていたが、この目的に通常用いるメンブレンの孔径ではウイルスのように残存する微生物があるため、現在はろ過除菌と称することが多い。

モニタリング(もにたりんぐ)=監視

環境中の汚染物質を監視すること。モニタリングの目的は人間や環境への汚染曝露の監視、発生源からの汚染物質の監視、実施した対策の改善効果の把握等である。水道では、水源及び給水栓等の水質監視のために水質検査が定期的に行われている。モニタリングを実施するには、目的、測定項目、測定場所と回数、試料の採取方法と測定方法等モニタリング方法の検討が重要である。

薬品混和池(やくひんこんわち)

凝集剤を注入した後に直ちに急速な攪拌を与えて凝集剤を原水中に均一に行き渡らせる必要があるが、そのための混和装置のことで、急速攪拌槽、急速攪拌池、急速混和池、あるいは単に混和池ともいう。凝集剤が原水と反応して濁質粒子の荷電を中和する、いわゆる水和反応は短時間(1分以内)に終了するので、混和池の滞留時間は短くてよい(1~5分)が、その間に多量の攪拌エネルギーを投入する必要がある。攪拌方式として、フラッシュミキサなどの機械攪拌方式と、水流を激しくぶつけ損失水頭を攪拌エネルギーに変える水流式がある。損失水頭が少なく、攪拌強度が自由に変えられる機械式が多く採用されている。米国などではインラインブレンダも用いられている。

薬品注入設備(やくひんちゅうにゅうせつび)

薬注設備ともいう。一般に供給タンク(薬品小出槽)、あるいはホッパ-供給装置、計量装置、溶解混合装置、注入配管、注入拡散装置などの各装置で構成されている。注入方式は湿式と乾式に大別されるが、使用する薬品の種類及び種々の条件を十分考慮して選定する必要がある。浄水処理で使用される薬品は凝集剤、アルカリ剤、凝集補助剤、消毒剤及び活性炭などがある。これらの薬品はその特性も異なるため、それぞれに適した注入設備が必要となる。したがって使用に際しては薬注ポンプ、薬品注入機及び薬注配管などの構造と材質についてよく検討しなければならない。

薬品沈澱池(やくひんちんでんち)

急速ろ過方式における沈澱処理において、凝集作用で成長したフロックを沈澱分離し、後続の急速ろ過池にかかる負担を軽減する目的で設置されるもので、緩速ろ過方式の普通沈澱池と区別される。凝集沈澱池ともいう。薬品沈澱池の種類はその構造から大きく多階層からなる矩形沈澱池、傾斜板をもつ傾斜板沈澱池などの横流式と高速凝集沈澱池の上向流式とに区分される。

薬品費(やくひんひ)

営業費用の一部をなす。原水の浄水処理、浄水の滅菌などに要する薬品の費用である。

有機ハロゲン化合物(ゆうきはろげんかごうぶつ)

炭化水素の水素原子が塩素や臭素などのハロゲン元素によって置換されている化合物を有機ハロゲン化合物(ハロゲン化有機物)という。浄水処理過程の塩素消毒によって生成する低沸点化合物であるトリハロメタン、あるいは不揮発性の化合物、そのほか水中には工場排液や農薬などに由来する各種の有機ハロゲン化合物(TOX)という。現在まで分析技術では、それらの化合物のうち一部の物質しか同定されていない。TOX計は、全有機ハロゲン化合物の総量をハロゲン量として測定するものである。製紙工場等では塩素処理によって生成する排水中の有機塩素化合物の管理指標として吸着性有機ハロゲン化合物(AOX)が用いられている。

有効水深(ゆうこうすいしん)

ろ過池中の砂面上の水深をいう。砂上水深ともいわれる。通常急速ろ過においては、1.0~1.5メートルとっている場合が多い。また越流を防ぐためにろ過池天端まで30センチメートルの余裕高をとる。有効水深が大きいとろ層内において負水頭の発生が抑制されろ過速度を大きくすることやろ過継続時間を長くすることが可能となる。この他には、沈澱池などの水槽で汚泥の堆積のために用意した部分などを除いた有効に働く水深を指す。

有効容量(ゆうこうようりょう)

配水池などの総容量のうち実際に利用可能な容量をいい、具体的には高水位(HWL)と低水位(LWL)の間の容量をいう。

有収水量(ゆうしゅうすいりょう)

料金徴収の対象となった水量及び他会計等から収入のあった水量。料金水量、他水道事業への分水量、そのほか公園用水、公衆便所用水、消防用水などで、料金としては徴収しないが、他会計から維持管理費としての収入がある水量をいう。

有収率(ゆうしゅうりつ)

有収水量を給水量で除したもの(%)。

遊水池(ゆうすいち)

下流における洪水ピーク流量を低減させるため、流下洪水の一部を一時的に貯留して湛水池とする地域をいう。自然条件をそのまま利用する場合と、河川幅を著しく広げるなどの土木工事による場合などもある。遊水池内を平常時に公園など他の用途に利用する場合は、多目的遊水池とよばれる。

溶解性(ようかいせい)

水中に溶存し、かつ蒸発乾固したときに残る物質。したがって、凝集沈澱や砂ろ過といった一般的な浄水処理ではほとんど除去できない。溶解性物質と蒸発残留物、浮遊物質の間に下式の関係がある。
 溶解性物質(ミリグラム/リットル)=蒸発残留物(ミリグラム/リットル)-浮遊物質(ミリグラム/リットル)

横軸ポンプ(よこじくぽんぷ)

ポンプは据付形式により横軸と立軸がある。水道用として使用されるポンプを動作原理に基づいて分類すると、遠心ポンプ、斜流ポンプ及び軸流ポンプに分類される。軸流ポンプは、羽根の揚力作用によって羽根車内の水に圧力及び速度エネルギーを与え、さらに案内羽根で速度エネルギーの一部を圧力に変換し、揚水作用を行うポンプである。軸流ポンプには、主軸の方向が水平面に対して平行な横軸ポンプ、垂直な立軸ポンプがある。横軸ポンプは、立軸ポンプに比べ保守が容易であり、水道用ポンプとして多く使用されている。立軸ポンプは、電動機をポンプの上部に設置する構造で電動機を取り外した後ポンプを分解するので、分解整備などは横軸ポンプに比べ困難である。立軸ポンプは横軸ポンプに比べ据付面積が小さく、ポンプ部分が水中にあることから始動用の呼び水装置が不要であり、キャビテーション特性に有利な面がある。

予算(よさん)

一定期間における収入支出の見積。地方公営企業の予算は一般会計と異なり、(1)歳出の規制に重点が置かれている一般会計の予算に対し、企業の効率的運営に重点が置かれている、(2)収入と支出に相互関連性がある、(3)比較的弾力性を有している、(4)予算とともに実績評価として決算が重視される、などの特質がある。管理者が作成した原案に基づいて長が調製し、議会の議決を経て成立する(地公企法8条1項1号・2号、24条1項・2項)。

ライフライン(らいふらいん)

本来の命綱、生命線(頼みの綱)という意味から派生し、電気、ガス、水道など、市民生活に必要なものをネットワーク(ライン)により供給する施設または機能のこと。これらに通信や輸送を加える場合もある。昭和46年(1971)に米国ロサンゼルス市付近で発生したサンフェルナンド地震の後に災害対策分野で使用され始めた専門用語。わが国の水道分野では、昭和59年(1984)の生活環境審議会答申「高普及時代を迎えた水道行政の今後の方策について」において、これからの水道の目標の一つとしてライフラインの確保を挙げ、需要に対応した安定供給に加え、地震など災害時においても必要最小限の給水は確保する必要があるとしている。

藍藻類(らんそうるい)

細胞内に核及び色素体を持たず、植物の中で最も下等な藻類。有性生殖を行わないので細菌類とともに分裂生物ともいわれ、シアノバクテリア(cyanobacteria)(青緑色細菌または藍色細菌)と呼ばれることもある。プランクトンとして、また付着藻類としての分布は広く、温泉から土壌上まで生息している。近年、水源の富栄養化に伴い、水の華、アオコを形成するAnabaena、Microcystisや、カビ臭物質を産生するAnabaena、Phormidium、Oscillatoriaなどの繁殖が顕著になっている。有毒藻類として報告されている種類もある。

リスクマネージメント(りすくまねーじめんと)=危機管理

危機管理、リスク管理ともいう。経営活動に伴う各種のリスクを、最小費用で最小限にくい止めるために科学的に管理すること。その手順は、まず考えられるリスクを洗い出し、そのリスクの内容や影響を分析し、リスク処理の手段の選択とその結果を検討することにより行う。水道に関する危機としては、渇水や水質事故、水道施設の破損、停電等のような例が考えられる。

流域面積(りゅういきめんせき)

流域を水平面に投射した面積。わが国の主な水系の流域面積(単位平方キロメートル)は、石狩川14,330、信濃川11,900、北上川10,150、木曽川9,100、利根川15,840、淀川8,240、荒川2,940、吉野川3,750、筑後川2,860。

料金算定期間(りょうきんさんていきかん)=料金設定期間*

水道料金の算定にあたり、水道サービスなどにかかる原価を積算する期間。期間の設定にあたっては、利用者の公平と料金の安定性という二つの相反する要請を調和させる必要がある。期間内に必要とされる原価は、その期間の使用者が負担するという観点からは、原価の適正な把握を可能とする短い期間が望まれ、水道料金の日常生活との密着性からは、長い期間が望まれるためである。このため、3年から5年を基準として、適正な範囲で長期化を図ることが妥当であると考えられている。

両吸込渦巻ポンプ(りょうすいこみうずまきぽんぷ)

遠心ポンプで、インペラの吐出側にケーシングをもち、この部分で速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するポンプを渦巻ポンプといい、インペラの吸込口が両側にあるものを両吸込渦巻ポンプという。

ろ過(ろか)

砂などのろ材によって構成される一定の厚さのろ層に水を通すことによって、水中の濁質などの不純物を取り除くこと。ろ過方法には急速ろ過法と緩速ろ過法がある。急速ろ過は、原水中の懸濁物質を薬品沈澱池であらかじめ凝集沈澱させてからろ過する方法で、濁質などの固形分をろ材への付着、ろ層によるふるい分け作用によって除去する。ろ速は120~150メートル/dが標準である。緩速ろ過は、濁質や細菌類、あるいは溶解性アンモニア性窒素、マンガン、臭気物質などを、砂層による物理的作用のほか、砂層表面に増殖する微生物群による酸化分解作用によって除去する方法である。ろ速は4~5メートル/dが標準である。

ろ過速度(ろかそくど)

ろ過池におけるろ過する速さのことで、単位時間のろ過流量をろ過面積で除した値。通常1日当りのメートル(メートル/d)で表し、ろ速ともいう。この値は一般に、急速ろ過では120~150メートル/d、また緩速ろ過では4~5メートル/dを標準としている。最終的なろ過速度はろ材構成、経済性、ろ過継続時間、流入水及びろ過水の水質などを勘案して、前述の範囲から経験的に決められるものである。

ろ過池(ろかち)

粒状物を充填した層中に水を浸透通過させて懸濁物を除去する池。凝集剤を使用して物理・化学的作用で除濁する比較的ろ過速度の大きい急速ろ過池と、主に生物・化学的作用(生物ろ過膜及び内部の微生物で浄化する)を利用して浄化するろ過速度の小さい緩速ろ過池の2種類がある。

ろ過面積(ろかめんせき)

ろ過池内におけるろ過に有効に機能するろ層の平面積のことで、具体的にはろ材層の表面積をいう。

ロックフィルダム(ろっくふぃるだむ)

フィルダムの一種で、透水ゾーンにロック材を使用したダム。内部にコアとよばれる不透水ゾーンを設け、順次外側に半透水ゾーン、透水ゾーンを配している。堤体の大部分を占める透水ゾーンにロック材を使用しているため、上流側は水位急低下時に残留間隙水圧が生じることはなく、下流側は常にドライである。アースダム(均一型フィルダム)に比べ、透水ゾーン材料のせん断強度が大きいため、法面の勾配を急にすることが可能である。

ロックフィルダム解説図